社員自ら創り出す会社の未来絵図。
- Kunihiko Terada 寺田 邦彦
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オペレーション部門の総合職として2008年入社。現在はアクアラインゴルフクラブの支配人として、ゴルフ場のマネジメント、営業集客、企画運営、スタッフ教育などゴルフ場運営全般に携わる。
2003年に創業したアコーディア・ゴルフ。会社の成長や、ゴルフビジネスを取り巻く情勢の変化を受け、企業理念の刷新が決定した。企業理念は会社方針を明確に示すものであり、そこで働く社員にとって明確な指針となるものである。
それがただの押し付けではなく、働く仲間たちの意見が詰まっていれば、より身近に感じ、受入れ易いものになる。そこで、若手社員をはじめ次世代を担うメンバーが集められ、新たな「企業理念」を策定する全社プロジェクトがスタートした。
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全社から次世代を担うメンバーを招集。
全部門参加のフラットな会議が始まる。 -
「私が会社の方向性に関わる重要なプロジェクトに携われることに驚きました。一般的に一従業員が企業理念の決定に関わることなどないと思いますので、現場の従業員や若手の意見を聞こうという会社の姿勢に、今までとは違う改革的な意識を感じました。」そう語るのはプロジェクトメンバーに選ばれた寺田だ。このプロジェクトには全社から各グループのリーダーの推薦を受けた様々なメンバーが集まっていた。年齢も、社歴も、役職も関係なくフラットに意見を交わし、現場社員の声を反映した企業理念をつくり上げていくことが狙いだ。
「理念策定に当たって事前に設問課題が出され、その回答を持ってプロジェクト会議に臨みました。当日はメンバーをいくつかのグループに分け、グループ毎の答えを発表する形で進行していきました。設問内容は抽象的な問いかけが多く、回答に悩みましたが、グループメンバーと話し合いながら自分たちなりの答えを出せたと思います。」答えを出す中で、立場や所属部門によってさまざまな考え方があることを知り、勉強になったと語る寺田。他のプロジェクトメンバーたちも最初こそ戸惑いがみられたが、様々な意見が交わされ、ブラッシュアップされる過程の中で、「企業理念」を自分事として捉えるようになっていた。
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様々な意見が飛び交う刺激的な会議。
会社に対する意識が変わる契機に。 -
「課題として取り組んだものが抽象的な設問だったので、明確な答えのイメージが浮かびにくく、最初は戸惑いながら手探りで進めていきました。時間内にグループメンバーの意見をまとめ、答えを出す難しさを感じました。」寺田をはじめ多くのメンバーが、これまでの業務にはない初めての経験だった。ただ、初めての経験だったからこそ得られたものも多い。「同世代で自分より上の役職に就いている方の姿勢や考え方、逆に自分よりも若くエネルギーが感じられる方の意見に触れられたことは、自分にとってとても大きな刺激になりました。」そう語る寺田は、このプロジェクト会議を通して、多角的なものの考え方ができるようになったという。
「一番苦労したのはプレゼンですね。これまでプレゼンをする経験がなかったので、分かりやすくかつ他のグループとの違いを出すことが難しかったです。グループのみんなに助けられながら、なんとか乗り切りました。」寺田同様、ほとんどのメンバーが普段プレゼンを行う機会はない。しかし、この経験を経て、プロジェクト参加メンバーの意識は少しずつ変わっていた。「自分の会社のことを真剣に考えるいい機会になりました。初めてのプレゼンが社長の前だったのは緊張しましたが、この経験は必ず今後の業務に生きてくると思います。」
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新しく生まれ変わった企業理念。
いい会社から「すごい会社」へ。 -
「今回のプロジェクトで経営層も改革的な考えで会社をより良くしようという強い思いが感じられました。決して楽観視できないこの情勢の中でも、危機感をもちながら、優れた企業として存在できるのではないかと思います。」今回のプロジェクトで会社のこと、業界のことをより深く知り、会社との結びつきをより強固に感じられるようになったと寺田は語る。
また、この経験を経て寺田は、現場で働く社員たちが、会社全体のことを考えることの大切さを体感したという。そして、この経験を現場の同僚たちに伝えていきたいと想いを語った。「現場で働いているスタッフひとりひとりが会社のコーポレートステートメントを意識して、業務に取り組むことができる会社が強い会社になると思います。本プロジェクトに関わった者として、一緒に仕事をするスタッフには積極的に発信して、理解を深めてもらい、日ごろの業務にあたってもらえるように取り組みたいです。もちろん、実現できるように自分自身も日々取り組んでいきたいと思います。」今回のプロジェクトで、社員の声を反映した新しい企業理念が完成した。“いい会社から「すごい会社」へ。”この言葉には、社員一人ひとりが持つ仕事への誇りと、未来への希望が詰め込まれている。